テクニカル分析の基本と代表的な手法
テクニカル分析とは何か?
「FXではチャートを見て取引するって聞いたけど、どうやって判断すればいいの?」
そんな疑問を持っている方に最初に知ってほしいのが、テクニカル分析という考え方です。

テクニカル分析とは、過去の値動きをもとに将来の動きを予測する方法じゃ。チャートの形やインジケーターを使って判断するのが特徴じゃな。
へぇ〜、数字のニュースとかじゃなくて、チャートだけ見て判断するんだね〜!

これに対して、ファンダメンタル分析という方法もあります。
ファンダメンタル分析は経済指標や政策金利、地政学的リスクなど「経済のニュース」をもとに相場を予測する考え方です。
「新しいアメリカの大統領は期待できそう!今後はドル高になるだろう 」というのはファンダメンタル分析に当てはまります。

どちらが正しいというわけではないぞ。
ワシのおすすめは、まずテクニカル分析から学んで、慣れてきたらファンダメンタルにも触れることじゃ。
テクニカル分析の良いところは、「チャートさえ見れば今すぐ判断できる」という即時性と、初心者でも取り入れやすいシンプルさです。
この記事では、テクニカル分析の基本的な考え方から、有名なインジケーター・チャートパターンまで、初心者にもわかりやすく整理して紹介していきます。
テクニカル分析の種類(分類ガイド)
以下のように「2つの軸で整理」するとわかりやすいです:
(A)チャートパターン系
視覚的に「形」で判断する手法
- ダブルトップ/ダブルボトム
- トレンドライン/チャネルライン
- レンジ・ブレイクアウト
- フラッグ/ペナント
- サポート&レジスタンス
(B)インジケーター系
計算式によってチャートに表示される数値・線
- トレンド系
- 移動平均線(SMA、EMA)
- ボリンジャーバンド
- 一目均衡表
- パラボリックSAR
- オシレーター系
- RSI(相対力指数)
- MACD(マックディー)
- ストキャスティクス
- CCI
インジケーターの選び方と組み合わせ方のコツ
FXでは「インジケーター」と呼ばれるツールを使って、相場の流れやエントリーポイントを分析します。でも、やみくもに使っても意味はありません。相場の状況(トレンド or レンジ)に合わせて選ぶことが大切です。
トレンド相場に向いているインジケーター
相場が「上昇トレンド」や「下降トレンド」のように、一方向にしっかり動いているときには、移動平均線(MA)やMACDなど、トレンド系のインジケーターが有効です。
- 移動平均線(MA):価格の平均を線で表示することで、相場の方向性が見えてきます。ローソク足が平均線の上にあるか下にあるかを見るのがポイント。
- MACD(マックディー):短期と長期の移動平均線を使った指標で、トレンドの強さや転換点を判断するのに役立ちます。
レンジ相場に向いているインジケーター
価格が一定の幅で行ったり来たりする「レンジ相場」のときは、RSIやストキャスティクスなどのオシレーター系インジケーターが力を発揮します。
- RSI:買われすぎ・売られすぎの度合いを数値で示してくれるので、相場の過熱感がわかります。
- ストキャスティクス:直近の高値・安値と現在の価格を比較して、反転ポイントを予測するのに使えます。
ダマシを避けるために「組み合わせ」が大切!
1つのインジケーターだけを信じて取引すると、**ダマシ(ニセのサイン)**に引っかかることがあります。だからこそ、2つ以上のインジケーターを組み合わせて使うのがおすすめです。
たとえば…
- ✅ 移動平均線(トレンド判断)+RSI(エントリー判断)
- ✅ ボリンジャーバンド(レンジの幅)+MACD(方向性確認)
このように、「相場の流れを判断する系」と「エントリー・反転を判断する系」をバランスよく組み合わせることで、より精度の高い判断ができます。
テクニカル分析を使ったトレードの実例
テクニカル分析は、チャートの形やインジケーターを使って「売り時・買い時」を判断する方法です。ここでは、初心者でもすぐにマネできる代表的なトレード例をいくつか紹介します。
🔹 ゴールデンクロス/デッドクロスでエントリー
**移動平均線(MA)**を使った有名な手法です。
- ゴールデンクロス(買いのサイン)
短期の移動平均線(例:5日)が長期の移動平均線(例:25日)を下から上に突き抜けたとき、「上昇トレンドが始まるかも」と判断します。 - デッドクロス(売りのサイン)
逆に、短期線が長期線を上から下に抜けたときは、「下落トレンドに転じるかも」と読みます。
クロスのタイミングだけでなく、「相場がどんな流れか?」もあわせて確認すると◎
🔹 RSIで「買われすぎ・売られすぎ」をチェック
**RSI(Relative Strength Index)**は、相場が「上がりすぎ」「下がりすぎ」かを教えてくれる便利な指標です。
- RSIが 70以上 → 買われすぎ → 「そろそろ下がるかも?」=売りのチャンス
- RSIが 30以下 → 売られすぎ → 「反発するかも?」=買いのチャンス
トレンドの強い相場では、70を超えたまま上がり続けたりするので、RSIだけで判断しないことも大切!
🔹 チャネルラインを使ったトレンド転換の判断
チャネルラインとは、相場の上下のライン(高値と安値を結んだ線)で、価格がどの「通路(チャネル)」を通っているかを見る手法です。
- 上昇チャネルを下に抜けた → 上昇が終わって下落に転じるサイン
- 下降チャネルを上に抜けた → 下落が終わって上昇に転じるサイン
チャネルラインを抜けたタイミングで、移動平均線もクロスしていたら、より強いシグナルになります!
🔸 「組み合わせて判断」が成功のカギ!
「1つのサインで即エントリー」ではなく、複数の分析を組み合わせて「根拠」を増やすことで、トレードの成功率はグッと上がります。
たとえば、
- ゴールデンクロス+RSI30付近 → 強い買いシグナル
- デッドクロス+チャネル下抜け → 売りのチャンス
🌱 まずは簡単なところから試してみよう!
ここで紹介した手法は、どれも初心者におすすめの「王道トレードパターン」です。
実際のチャートで試してみて、
「このパターン、うまくいきそう!」という自分の感覚を育てていくことが大切です。
📎 さらに詳しい使い方やコツは、個別記事で紹介しています。
注意点と限界|テクニカル分析の“落とし穴”も知っておこう
テクニカル分析は非常に有効な武器ですが、万能ではありません。誤解や過信による失敗を防ぐために、以下のポイントをしっかり押さえておきましょう。
テクニカル分析は「確率の道具」
テクニカル分析は、あくまで**過去の値動きをもとにした「確率的な判断ツール」**です。
「このパターンが出たから、必ず上がる(下がる)」というように未来を断定するものではないため、外れることももちろんあります。
ゴールデンクロスが出たから買ったのに、すぐ下がった…

こうした“ダマシ”があることを前提に考えることが、FXで長く生き残るコツです。
🔹 ダマシ(フェイクシグナル)に注意
テクニカル指標のシグナルが出たとしても、それが「本物のトレンド」ではないこともよくあります。これが**“ダマシ”**です。
- RSIが30を下回って買ったら、さらに下がった…
- トレンドラインを上抜けたと思ったら、すぐ戻ってきた…
こうした経験は誰でも通る道です。
相場によって“効く指標”と“効かない指標”がある
たとえば、
- トレンド相場では「移動平均線」や「MACD」が有効
- レンジ相場では「RSI」や「ストキャスティクス」がよく機能
しかし、相場の性質が変わると、それまで効いていた指標がまったく役に立たなくなることも。
「トレンドだと思って移動平均線を見ていたら、実はレンジだった…」

常に「今の相場がどういう状況か?」を考えるクセをつけましょう。
🔹 だからこそ「資金管理」と「損切り」が超重要
いくら優れた分析をしても、「100%当たる手法」は存在しません。
だからこそ、
- 1回の損失で大きく資金を減らさない資金管理
- 想定外の動きに備えた損切り
この2つがトレードには必須です。
「間違えても生き残る」「何度でもやり直せる」ための仕組みを作っておくことが、長くFXを続けるための“本当のスキル”です。
まとめ:テクニカルは“補助輪”、主役はあなた
テクニカル分析は、あくまでトレード判断を支えてくれる**“補助輪”**のような存在です。
最終的にエントリーや決済を決めるのは、あなた自身の判断。
だからこそ大切なのは:
- テクニカルを過信しないこと
- ダマシがある前提で構えること
- どんなときも損切り・資金管理を徹底すること
この3つを意識するだけで、トレードの質と安定感は大きく変わります。
✅ テクニカル分析は「使い方次第で武器になる」
テクニカル分析に“絶対の正解”はありません。
同じインジケーターでも、使う人・相場状況・手法によって、効果は大きく変わります。
つまり、テクニカルは「万能の答え」ではなく、あなたのスタイルに合わせて“使いこなす”道具なのです。